そうだ 信州へ行こう

信濃の観光地を遊びながら紹介しています

信州は食に厳しい

「長野」、「信州」、「信濃」といろいろな呼び方のある地域です。

本州のほぼ中央に位置し歴史上でも幾度となく合戦の地となってきた土地。

私は池波正太郎が好きなので長野といえば川中島善光寺平、上田城などの戦国時代の戦模様が脳裏に浮かびます。

上杉謙信武田信玄善光寺平に兵を並べて所領を奪い合ったことを考えるとぞくぞくしてきますね。

 

私の居は長野県の北部で県庁所在地の長野市にあります。

長野県は細長いので南と北では気候も風土も違ってきます。

昔から経済の中心は長野市、文化の中心は松本市などと言われているように長野市松本市が互いに意識しあう関係にあるようです。

ただ、海のない土地柄と厳しい冬、山岳が多いなどの理由からそこに住む人々の生活は決して豊かではありませんでした。

長野県の代表的な食べ物の一つに山菜や虫がよく取り上げられますが、食糧に困っていた時代の知恵から生まれたものと言えるでしょう。

昔は食糧に苦労しただけに食に関しては厳しい土地だと個人的に思っています。

流行りもののチェーン店は出店はあっても長野の舌に合わないと決して成功しません。

私が学生時代に焼き肉店でアルバイトをしていた時、店に客が入らないことを嘆きながら店長がこんなことを言っていました。

「長野の人間は昔から贅沢をするということを知らない。だからいまでも外食に出ることが贅沢と考える年寄が多く外食産業は全然発展しないんだ」

確かに外食チェーンが出店しては消え、同じ場所に同業種が幾度となく出店するケースをよく目にします。

でも決して贅沢が敵という考えではなく、季節ごとにとれる地の食材を楽しみにしているという方が適切はないでしょうか。

我が家も近所から季節ごとに山野でとれるキノコや山菜を毎年もらい、特にその年の初物は家族の楽しみとなっています。

そういったものを食べているおかげかどうかはわかりませんが、現在長野県は長寿の県として全国1位を取るまでになりました。

身の回りからとれるものを最大限利用し、漬物を作り、味噌を作り、そばを探求する、これが長野の食文化の原点でしょう。

私も菜園をやっていますが雪で覆われたこの時期は少し憂鬱です。

早く雪解けして青々とした春が来ないものかと待ち遠しい。